8月12日に中国・天津で大爆発事故が起きたことが報道されていますが,
一方で中国政府の情報統制で正しい情報が出てこないので,
爆発原因が錯綜しながら色々と報道されていますね.

日本で危険物がらみで報道されている物質でも複数ありますが
代表的な物質しては,金属ナトリウム(Na)や金属カリウム(K)があります.
他にも硝酸アンモニウム(硝安,NH4NO3)や
日本の毒物及び劇物取締法で規定されているシアン化合物による
神経性有毒ガスの情報もあるようです.

もうしばらくしたら,原因や有毒ガス情報も少しは明らかにはなると思いますが,
とりあえず言及されている上記の危険物関係を勉強がてら要点をまとめてみます.

第1類危険物(=酸化性固体)
塩素酸塩類・過塩素酸塩類・無機過酸化物・亜塩素酸塩類・臭素酸塩類・硝酸塩類・ヨウ素酸塩類・過マンガン酸塩類・重クロム酸塩類・その他のもので政令で定めるもの

硝酸アンモニウム(硝安,硝酸アンモン; NH4NO3) 指定数量300kg(第2種酸化性固体)
・白色結晶
・水溶性(激しく吸熱),エタノールにも可溶.
・比重1.73
・吸湿性・潮解性あり
・不燃性だが,単独でも急激な加熱や衝撃で,分解して,爆発の可能性あり
・強酸や可燃物との接触を避け,冷暗所で密栓して貯蔵
・210℃で有毒な亜酸化窒素とを発生させる
・更に強く加熱すると,爆発的に分解して窒素(N)と酸素(O)を発生させる.
・大量注水で消火する


第3類危険物(=自己発火性物質・禁水性物質)
カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・黄リン・アルカリ金属及びアルカリ土類金属・有機金属過酸化物・金属の水素化物・金属のリン化物・カルシウムまたはアルミニウムの炭化物・その他のもので政令で定めるもの

カリウム(K)とナトリウム(Na) 指定数量10kg
・銀白色の柔らかい金属
・水より軽い(カリウムの比重0.86<ナトリウムの比重0.97)
・水やアルコールやハロゲンと反応して,発熱して,水素(H)を発生させて発火する
・吸湿性・潮解性あり
・空気中ですぐに参加されるので,灯油等の石油中で小分けして保存する
・化学的反応性や水分との接触時の反応はカリウムの方が強い
・カリウムは紫色,ナトリウムは黄色の炎色反応がある
・乾燥砂で消火する(注水厳禁


報道によれば,複数の危険物や毒劇物が大量に保存されていたようですが
上記の物質だけでも,もしも消防が注水消火しようとすれば
金属ナトリウムや金属カリウムが水と反応して爆発し
それに誘引されて更に硝酸アンモニウムも爆発し
周辺の都市ガスやプロパンガス等が誘爆し
これらの相乗効果で更に爆発が連鎖した可能性がありますね.

詳細は,調査待ちなのでしょうが
中国なの真実が本当に解明されるのかは微妙ではないでしょうか?



      


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