報道によれば,

「日米欧など先進41か国の特許当局が,特許を与える基準について,早く出願した企業や個人に特許を与える「先願主義」で統一することで大筋合意した.」

 そうだ.

 これまでにも大多数の国の特許は先願主義に基づいていたのだが,アメリカだけは先に発明した方に権利を認める「先発明主義」を採り続けてきた.それがこのたび,日欧などが採用する「先願主義」に転換して歩み寄ったために,折り合いが付いたのだ.
 世界の中でもアメリカだけは他の分野でも独自の基準を採用することが多く世界基準の足並みを乱すことが多かっただけに,歓迎すべきことだろう.これにより世界特許への道を開く契機ともなると考えられる.なお,これに伴う特許法の改正などは特段準備されていない.

江口 裕之
解説 特許法―弁理士本試験合格を目指して

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